1704人が本棚に入れています
本棚に追加
「たとえ颯斗のことが好きだとしても、好きな相手を陥れるようなことをする最低なヤツを、俺は絶対に許せない」
翔琉はそう告げると、バイト終わりに立ち寄ったままリビングのソファへ座る俺へと、横へ座りキスをそっと重ねる。
それから吐息混じりで、俺にこう囁いた。
「いい歳して子どもで、ワガママで……悪い」
何一つ悪びれもなく言いながら、翔琉は俺の首筋へ戯れるようにキスマークを遺していく。
「そして、独占欲も強くて――性欲も強い」
ひゃ、と俺はそのくすぐったさに、ムードも何もない声を相変わらず上げる。
「――だけど、誰よりも颯斗を幸せにする自信はある。俺と共にあることを後悔させないよう、否、それすら気が付かないよう……俺が、たくさん愛すから」
ギュッと俺を抱き締める翔琉の下腹部は、熱い告白と同様、バスタオルの下で、とても大人くしできそうにない程、既に燃え上がっている。
「だからまずは――颯斗とシたい。俺の大きな愛、受けてくれる?」
酷く俺が赤面するのが分かっていて、翔琉はわざとそう言う。
案の定、俺は羞恥に首まで激しく紅潮させる。
翔琉好みに甘く開発された俺の身体が、当然その誘いを拒否できる訳はなく。
うーっと唸りながらも、小さく頷いたのであった。
それは、幸せな、幸せな二人のホリデーシーズンの始まりだった。
fin.
最初のコメントを投稿しよう!