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龍ヶ崎翔琉、ショタになる。
「え、まさかまた翔琉に隠し子疑惑……?」
翔琉の家に呼ばれたのでやって来たら、目の前にちょこんと現れたグレーの瞳のお子が颯斗を出迎えた。
どこからどうみても顔かたちは颯斗の恋人、龍ヶ崎翔琉のミニチュア版だ。
おそらく十歳くらい。
「えっと……」
思ってもみない状況に、颯斗は目を白黒させる。
もちろん出逢ってから今まで翔琉が不貞を働いていないだろうことは、日頃の営みから痛いほど身体に教えこまれているので、疑う余地はないのだが。
でも、この状況は一体……。
「えっと、ボク、お名前は?」
戸惑いながらも颯斗は、少年に視線を合わせるために身を屈め訊ねた。
心なしか髪色が金色に近い。
翔琉の地毛は、たしかもっとブラウンに近いはずだ。
対して目の前の男の子の髪色は、見事な金髪である。
おそらく天然ブロンドだろう。
目の前の少年はもの言いたげに、二十センチ以上は高いところにある颯斗の顔をじっと見上げた。
どことなく幼さのなかに不遜な態度に見えるのは、翔琉ジュニアだからだろうか。
いや、顔かたちがいくら翔琉にそっくりだと言っても、恋人の不貞を認めたくはない。
翔琉の親族である筋が強いだろうと考える。
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