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「え? 翔琉、なんか今、言いましたか?」
「ううん、なんでもないよ。ボクにチューしてほしいなあ」
「ちゅ、ちゅー?」
「そうだよ。好きだって気持ちを伝えるためのものでしょ? 颯斗お兄ちゃん、ボクのこと大好きって言ってくれたのは……ウソ、だったの?」
屈託ない天使のような微笑みを見せたあとで、すぐさましゅんと眉を寄せて悲しそうに振る舞う。
裏で腹黒い企みが算段されているとは、とうてい颯斗に思わせない態度で。
「ううん。ウソじゃないよ。本当だよ。ちゅうしよう」
真剣な顔した颯斗は、そうして翔琉の思惑通り唇にキスをした。
それから濃厚なキスをねだられ、徐々にエスカレートしていく要求に疑問を感じつつも、朝まで際どいスキンシップを続けた颯斗たちだったが……。
ひと眠りして目が覚めると、颯斗の身体の上に乗っかっていた小さくて可愛い、護ってあげたくなるような翔琉が元の規格外サイズに戻っていたことを惜しんでいたのは、実は颯斗だけではなく翔琉自身も惜しんでいた事実を二人は知る由もなかったのである。
ちなみにどうして突然翔琉がショタサイズになったのか、明らかな原因は分からないままであった。
END
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