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さて、あなたはとっくお察しのことでしょう。
私の恋人とは、お嬢さん、あなたなのでございます。鍵を複製しあなたの部屋に入り浸ったり、盗聴器で聞き耳を立てていたこと、強がってあなたの彼氏より私が優位である旨を申しました無礼をお許しください。
私はぬいぐるみを直すことしか能がなく、みすぼらしい容貌した哀愁漂う男でございます。
もしかしますとあなたは、私の顔を見ただけで不快に思うかもしれません。ですが、たった一度でいいのです、
あなたの顔を一目見たいのです。
今までSNSの投稿やあなたの声を聞いて、様々な思いを巡らしてきましたが、もはや限界でございます。あなたの顔を見ながら、言葉を交わせることができれば、私の命など惜しくもない程にまで思いが膨れ上がっているのでございます。
私はあなたに逢うために自宅を出て、今、あなたの部屋の扉の前におります。もし、嫌悪を抱くのであれば、その場でその旨をお伝えください。 自宅の盗聴器から無線を介して、あなたの言葉が私の耳に届きます。その時には私は大人しくこの場から立ち去ります。
そうではなく、私と逢って頂けるのであれば、お手数ですが、私が扉をノックしましたら、部屋の扉の鍵を外して頂けますでしょうか。もし、ノックしても何も応答がなければ逢って頂けると判断し、私は複製した鍵で入室し、あなたに逢いに伺います。
それでは宜しくお願い致します。
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