4既視感あふれる話を聞きました

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「カナデと申します。信じてはもらえないでしょうが、女神さまの計らいにより、この世界に魔王を討伐するために呼ばれました。」  これ以上にないという簡潔な自己紹介を終えて、二人の表情をうかがう。大抵、異世界から来たと説明して、一度で信じてもらえることはほとんどないのが、異世界転生物の話の流れである。そうでなくても、大抵の人間、常識人ならこの発言を聞いて、信用することはない。むしろ、発言した人物の頭を疑うことだろう。ここでの二人の反応もそうであろうと予測していたカナデは、驚きを隠せないでいた。 「それは本当ですか。」 「それが本当ならすぐに教会に連絡を入れないと。」  話に食いついてくるパターンだった。そういえばと、カナデは思い出す。話が進みやすいように物分かりのいい人物がいることもあったのだった。 信じてくれるなら、それに越したことはない。事実、カナデはこの世界の住人ではなく、女神に転生させられたのだから。 「信じてくださってありがたいです。早速ですけど、私はこの世界にきてまだ数日です。よろしければ、この世界のことを詳しく教えていただけませんか。」 カナデはこの世界の情報を細かく聞くことにした。 「服装や容姿からも、よそから来た人間だとは思っていましたが、本当に別の世界から来ていたとは。」 「まあ、それならそれで納得。」 カナデは、今いる街の名前や、都市、国の名前、自分たちの職業、魔王についてなど、詳しいことを知ることができた。  カナデたち3人は、現在、宿の一室に集まっていた。宿に泊まるためには当然、宿泊費がいる。カナデはもちろん、この国のお金を持ち合わせてはいないので、二人に頼み込んで、一緒に泊めてもらうことになった。その一室で話は進められていく。
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