7本物の聖女が現れました

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 それから、三人はお互いの情報を交換し合った。カナデとユーリはすでに語り合うことはなかったのだが、ソフィアの話は興味深く、ついつい長話をしてしまった。 「コンコン。」  話を遮ったのは、またもや扉のノックの音だった。 「すいません。勇者さま。そろそろ魔王討伐について、メンバー全員での話し合いをしておかなくては。」 「わかった。すぐに教会に向かうから、心配しなくていい。」  扉をノックしたのは、最初にカナデたちを案内してくれた司祭だった。ちらと壁にある時計を見ると、ずいぶん話し込んでいたようだった。すでに正午を過ぎて、昼食の時間である。 「わかりました。では、ちょうど昼食の時間ですので、昼食を準備してお待ちしております。」 「ありがたい。話の切りがつきしだい、すぐに向かう。」  ユーリの言葉を受けて、司祭はそのままその場を立ち去ったようだ。カツカツという足音が次第に部屋から遠ざかっていく。 「ぐうう。」  司祭が去っていくと同時にカナデのお腹の音が鳴ってしまった。正午を越えたことを確認して、身体が昼食を求めているのだろうか。しかし、このタイミングで主張するのは恥ずかしい。慌てて、ごまかそうとしたが、ばっちりと聞かれていたらしい。 「だせえな。そんなんだから、彼氏の一つもできずに、いきおくれになるんだよ。」 「なっ。これは、つい緊張がゆるんで。」 「ぐうううう。」  今度はユーリのお腹も鳴りだした。ユーリも昼を意識したのだろうか。とはいえ、ユーリは、自分の腹の音が聞こえなかったように冷静さを装って話し出す。 「どうやら、結構な時間話し込んでいたようだ。申し訳ない。つい、ソフィアさんの話に夢中になってしまって。では、司祭に言った通り、オレ達もすぐに司祭のもとに向かうとしよう。」 「そんなどや顔で言ってももう遅い。お前も私と同類だ。腹が減っていると認めたらどうだ。このクソガキが。」 「ふん。お前の方が早かっただろう。食い意地の張った卑しい女が。」 「まあまあ、そろそろお昼の時間ですし、お腹が減っても仕方ないですよ。お二人とも若いのですから、問題ありませんよ。」  バチバチと火花を散らすカナデとユーリの間に立ったのはソフィアだ。 「ソフィアさんの方が若いでしょう。それなのにそんなことを言われても、説得力がありません。」 「いいえ、あなたたちより私の方が年上ですよ。だって、私はこう見えて、30歳を過ぎていますから。」 『……。』  驚きで目を丸くする二人に、ソフィアはにっこりとほほ笑んで、部屋を出るよう促した。 「早く行かないと、また司祭が戻ってきてしまいますよ。」 「そういえば、思い出した。年増のロリがいることもあるんだった。」 「同感。私もその可能性はすっかり抜けていた。」  珍しく意見が一致したにもかかわらず、喧嘩にならなかった二人はそのまま、ソフィアの後を追うのだった。
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