8改めてメンバー全員で自己紹介をしました

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「うん。これは完全に味噌だね。いや、異世界に来てまで味噌を味わうなんて思いもしなかった。ねえ、そう思うでしょう。ゆ、う、しゃ、さま。」 「……。」 「いや、突然黙られても。もしかして、あんたって、味噌が嫌いな、の。」 「勇者様。やはり、お口に会いませんでしたか。それなら、私が今すぐにでも、勇者様のお口に合うものを買ってきます。」  目の前に置かれていた料理は、カナデたちがもといた世界では「名古屋飯」と呼ばれていたものだった。味噌を使った料理が並んでいた。もといた世界では、味噌カツに味噌煮込みうどん、味噌おでんと呼ばれていた料理そっくりのものが出ていた。カナデは愛知県出身だったので、味噌には親しみがあり、おいしくいただいていたのだが、ユーリにはなじみのないものらしかった。それとも、赤味噌が気に入らなったのだろうか。 「大丈夫だ。心配してくれてありがとう。ええと。」  そこで、ここに居るメンバー同士が、お互いの自己紹介がまだなことを思い出したのだろう。司祭が急いで、うどんらしき麺を飲み込むと、自己紹介をしようと言い出した。 「申し訳ありません。私としたことが。魔王討伐メンバーが集まったら、それで安心して、自己紹介を怠ってしまいました。ですので、今からでも、それぞれの自己紹介をお願いしたいと思います。」  そして、最初に言い出したからという理由で、司祭から自己紹介が始まった。
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