8改めてメンバー全員で自己紹介をしました

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「では、つぎは私の番ですね。私はソフィア。「聖フローラ共和国」から来ました。今回は魔王討伐のメンバーに選ばれたことを心から誇りに思っております。どうかよろしくお願いします。」  いつの間にか自己紹介の際は席を立つことになったようだ。ソフィアも例外ではなかった。立ち振る舞い一つとっても、上品さがにじみ出ていて、思わずほうっとため息をつきたくなるほどの所作だった。それでではない。出された料理も箸を使って食べる姿は違和感を呼ぶが、それでも美しかった。 「ふふふふ。では、最期はやはりオレだな。オレの名前はユーリ。皆も存じていると思うが、勇者として、この世界にやってきた。女神さまの依頼によってここに居る。皆の者、突然、異世界から来た人間を信用してくれとは言わないが、これから精一杯皆の信頼を勝ち取っていこうと思う。魔王を一緒に倒して、平和な世界を築いていこうではないか。」  自信満々に自分を紹介するユーリになぜか、カナデ以外のメンバーは、うっとりと聞き入っている。イザベラとエミリアに至っては、ユーリの声だけで顔を赤くして、動機が激しくなっていた。 「これで、全員の紹介は終わったな。では、せっかく出された料理をたべつつ、今後の計画について話していこう。」 「いやいやいや、一人忘れているよね。わざとなの。あんな痛い演説した後で居心地悪いけど、私の紹介もさせてよね。」  無理やり話しに入っていくカナデだが、ユーリに邪魔されてしまう。しまいには、ユーリがカナデの紹介を勝手にしてしまった。 「こいつは、オレの従者のカナデだ。ただのカナデ。オレを一人で異世界に行かせるのを不安に思った女神さまの好意によって、こいつはオレとともにこの世界にやってきた。まあ、いわゆる雑用係だ。お前たちも好きに扱っていい。」  これで説明は終わりだと言わんばかりの態度にカナデは怒りが抑えられない。今すぐにも机の上の料理をユーリの顔面にぶつけたかったが、それをしなかった自分をほめたいくらいだった。
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