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「ねえ、雑用ならいらないよね。だって、これからはわたしたち一緒に魔王を倒すために旅をするんだよね。だったら、勇者様のお世話はわたしたちがするよ。ていうことで、カナデだって。もうあんたは用済みだから。」
まるで、カナデが恋敵のような目でみて、エミリアは低い声を出す。いつの間にか手には杖らしきものを携えている。臨戦態勢をとっているが、カナデには何も対応できるものはない。
一触即発の雰囲気を止めたのは、ソフィアだった。優しくエミリアの手を包み込んで、諭すように話し出す。
「そんなひどいことを言ってはダメよ。カナデさんだって、役割が与えられてこの世界に来ているの。それを奪ってはいけないでしょう。それとも、あなたは女神さまの言うことに反対するつもりなのかしら。」
「ソフィアさんの言う通りです。エミリア、お前らしくない。突然そんなに怒りだして、いったいどうしたのですか。」
こうして、ぎすぎすした感じになったが、互いの素性を知ることができた六人はしばらく無言で、NOH飯を食べることになった。
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