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「何をしているのですか。こんなところに一般人がいてはいけません。ただでさえ、魔王が復活して治安が悪くなっています。ここは、町から離れた場所。助けがこなくても、文句を言えない場所ですよ。」
「そうだよ。こんなところに一人で無防備に立っていたら命がいくつあっても足りない。今回は私たちがたまたま通りかかったから助かったものの、通りかからなかったら死んでいたからね。」
「助けてくれてありがとうございました。」
カナデは感謝の言葉を二人に投げかけた。カナデの窮地を助けてくれたのは、二人の女性だった。助けてくれたのは感謝しかないのだが、助けてくれた二人の服装を見て絶句してしまう。
「な、なんていう格好をしているのですか。」
何とか絞り出せたが、とても弱弱しいものだった。
「お礼の次に出た言葉が、服装についてだったのは初めてです。別にそんなにへんな格好をしているとは思えませんが。そうでしょう。エミリア。」
「そうだねえ。これといって変なところはないでしょ。まあ、あんたの武器とかが女性としてふさわしくないことを言っているのかもよ。イザベル。」
二人の恰好は、現代の日本からしたら、露出狂として捕まりそうなレベルの服装だった。エミリアと呼ばれていたのは、小柄な女性だった。白いローブを腰まで身にまとっていて、ぱっと見では露出してないように見えるが、カナデは気づいてしまった。ローブの下の黒のロングスカートにある大胆なスリットに。そこから生足ががっつりと見えていた。こうなると、ローブの下の上半身もおそらく、ノースリーブに違いない。
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