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「自転車…おいて帰れよ、俺が送るって言ってんのに。」
「明日どうやってここまで来るのよ。」
「だから…俺が迎えに行くって言ってんのに。」
「なんで?もう…いいから、帰りなよ疲れたでしょ?」
「…なんで?」
海人は私の自転車をつかんで、動けないようにしていた。
「ちょっと!」
「な、なんでって、なんで聞くわけ?俺…言ったの忘れてないよね?」
「なに?ダジャレのつもり?」
笑って見せたら…自転車から手を放してくれたから、ここぞとばかりに動かそうとハンドルを持ったら。
「チョップ!」
「は?いた!」
手をたたかれ、痛がってるとその手をつかまれた。
「来い!」
私を引きずるように歩き出した。
「え?ちょっと!」
「送るって…。」
「ああ、もうわかった…から。じゃー自転車に鍵。」
自転車に戻ろうとする私をその場に立ち止まらせた。
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