#03[結束力]

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「自転車…おいて帰れよ、俺が送るって言ってんのに。」 「明日どうやってここまで来るのよ。」 「だから…俺が迎えに行くって言ってんのに。」 「なんで?もう…いいから、帰りなよ疲れたでしょ?」 「…なんで?」 海人は私の自転車をつかんで、動けないようにしていた。 「ちょっと!」 「な、なんでって、なんで聞くわけ?俺…言ったの忘れてないよね?」 「なに?ダジャレのつもり?」 笑って見せたら…自転車から手を放してくれたから、ここぞとばかりに動かそうとハンドルを持ったら。 「チョップ!」 「は?いた!」 手をたたかれ、痛がってるとその手をつかまれた。 「来い!」 私を引きずるように歩き出した。 「え?ちょっと!」 「送るって…。」 「ああ、もうわかった…から。じゃー自転車に鍵。」 自転車に戻ろうとする私をその場に立ち止まらせた。
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