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「俺が鍵かけてくるから、動くなよ!その足で走ってみろ…悪化するからな!」
「もう…わかった。素直に送ってもらうから…鍵。」
海人は何度も何度も振り返りながら、私のボロボロ自転車をきちんと停めなおし鍵をかけてくれて自転車止めにチェーンもしてくれた。
「ほら…鍵。」
「ありがとう。」
受け取った鍵を家のカギのキーホルダーにつけた。
「あ…楽しみってそれか?」
「え?あ。」
しまった!
…キーホルダーにアイドルグループのグッツをつけているのを忘れていた。
「え、俺も知ってるそのグループ。」
「へ?そうなの?」
「俺に興味なさそうにしてて…実は?だろ?」
海人はゆっくり私に近づき、視線を逸らす私の目を追いかけた。
「私で遊ばないでよ…。」
「フッ…めぐみかわいいよね。」
「は?名前とかけたダジャレでも言ったの?それとも?ああ、もう!あんた私が幾つか…ウッ言いたくない。もう…送ってくれるんでしょ?」
「おなかすいた~飯食ってからね?」
「そうね…あ、どこ食べに行く?」
「料亭河合。」
「料亭?どこ…。」
私はズボンに押し込んでいた携帯を取り出して、海人に大笑いされていた。
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