8人が本棚に入れています
本棚に追加
「はあ…。」
「めぐみどうした?昨日呑みすぎたか?」
職場に出勤して私に声をかけてきた彼は佐伯海人社内1位と言ってもいいぐらいのイケメン。
なのに…独身で恋人もいないらしい、そんな誰もが狙うこの男は私を名前で呼びなれなれしい。
「あんたね…一応、一応いうのもへんね。私が年上で…先輩ね。」
「どんくさい、詰めの甘い先輩…フッ。」
この口の悪いところが、彼を狙う女子はいいらしい。
彼は3年前入社した社員で、私の部下。
私が働くここは、スーパーの食品製造。ほぼ…私を含め高年齢。
私はというと…一応社員、それもヒラ。パートバイト教育担当ってところ。
店を転々としていくうちに…婚期を逃しって話はどうでもいい。
もう、いや…
まだまだのつもりだけど、年齢も40歳を超えこの店舗で役職をあげて腰を据えたいと思っている。
「で?朝からため息ってどうかした?ああ…お偉いさんでもくるんだ?」
「…あたり。」
「思うとこ全部やっといたけど?不安?」
「そりゃ、不安だよ…あんたが言うように私は詰めが甘いんだから。」
ニヤリと笑うその表情が意地悪なんだけど…かっこよかったりする。
最初のコメントを投稿しよう!