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第1ニャ【ぬ子の話を聞くニャ】
ここ、ホワイトニャウンテンは今日も極寒ニャ
そんニャ寒い町に住む美猫と言えば、言わずと知れたこのぬ子しかいニャいよね
ニャふふ〜ん♪
見ている見ている、
三匹の仔猫ちゃん達が大人である、ぬ子に尊敬の眼差しを送っているニャ。はぅ〜、全くぅ、かわいい奴らだニャ〜
——うぅ〜、寒っ、くちゅんっ!
「ぬーこ、ぬーこ、はやくおはにゃししてにゃ」
「ぬっこ、ぬっこ〜、かみさにゃのもんのおはにゃしするにゃ」
よ、呼び捨て……うぬぬぬ、ま、まずは仔猫ちゃん達に礼儀を教えてあげニャいとニャ
「おっほん、仔猫ちゃん達〜。ぬ子のことはちゃんとお姉ちゃんと呼びニャさいって、この前も教えたニャ? 何てったってぬ子は二歳! 立派な成猫だニャ〜」
にゃっしっし〜、仔猫ちゃん達、ぬ子の全身を舐めるように見ているニャ。せいぜい成猫の身体に酔いしれるニャ
どれ、少しポーズでもとるかニャ。ニャン!
毛繕いのポーズ!! ぴニャ〜ン♪
……………………あれ?
「ぬっこ、おっ○いぺっちゃんこ! こねこみたいにゃ」
「ぬーこ、はにゃしかたもこねこといっしょにゃ」
「ぬこ、せもちっちゃいにゃ、おねえちゃんたちがいってたにゃ、ぬこはまだまだこねこだにゃって」
にゃぬ!? いったい誰ニャ!? そんニャ味も蓋もニャい虚実を幼気ニャ仔猫ちゃん達に吹き込んだのは!! 今すぐ訂正しニャいと!!
「仔猫ちゃん達、ぬ子はお姉ちゃんニャ! お、おお、おっ○いも今は訳あって小さいだけニャ! 訳あって、うん」
そう、おっきくなるニャ……お姉ちゃんみたいに。はぁ、何でぬ子はこんにゃにロリボディ……いや、違うニャ! 諦めるにはまだ早いニャ! ぬ子には最終兵器があるニャ!
そう、コレさえあれば世の雄猫達はぬ子の虜ニャン! ほれほれ、
「ぬーこのにくきゅーぷにぷににゃ〜」
「ぴんくいろにゃ〜」
ニャっしっし〜、仔猫ちゃん達、ぬ子の自慢の肉球に釘付けニャ。そりゃそうニャ。ぬ子の肉球は柔らかさに定評があるし……ま、お父ちゃんとお母ちゃん調べだけど……そ、それに、薄らピンク色も可愛いはずニャ
「ぷにぷににゃ〜」
おお、仔猫ちゃん達、やっぱり可愛いニャ〜癒される〜
それにしても、他の成猫達は全然外に出て来ニャいニャ。猫だからって、やる気なさ過ぎニャよ
まぁ、外は寒いからニャ。雪も降ってるし
と、ぬ子がそんニャ思考を巡らせていると、仔猫ちゃん達が本題を思い出したみたいニャ
「ぬっこ、かみさにゃのもんのはにゃし〜」
「お、そうだったニャ! 仔猫ちゃん達、よーく聞くニャよ〜?」
と、言っても、ぬ子の知ってる事ニャんて、たかが知れてるんだけどニャ……
むむ、視線……? 何か周りから視線を感じるけど……はっ!?
皆が家の中からこっち見て笑ってるニャ……もぅ、またぬ子を馬鹿にしてる!
ふん、こんニャだから猫はこの寒い雪山に放り出されて除け者にされたニャ!
今こそ、猫が動物界の覇権を握る時!
「仔猫ちゃん達〜、神様の門と言うのは、神様のお家の事でニャ、昔むかし、……って、ニャァァッ!?」
いつの間にか仔猫ちゃん達が居ニャい!?
猫は気まぐれかニャ……ぬ子も猫だけど……
ちーん、つまんニャい……こんニャ何もニャい雪山で一生を終えるニャんて、つまんニャい! 猫も十二支に入るべきニャ!
そうすれば神様にも可愛がってもらえるだろうし、何より、犬とか猿より下ってのが許せニャいよ!
そう、遂にコタツから出る時が来たニャ!!
……と、思ったけど、とりあえず寒いからコタツ入ろ……明日から頑張ればいいニャ〜
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