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1ー6
夜の私は日中では考えられないくらい甘えん坊になる。まるでこの時だけ無邪気な子どもに戻ってしまったかのようだ。こうして髪をすってもらうのも、その一環かもしれない。
茶柱と私はこの部屋で二人暮らしをしている。未成年の男女が親の了承もなくするのは世間の批判を買うだろうが、生憎、私たちには『親』というものが存在しない。
両親は半年前に死んだらしい。「らしい」というのは私が彼らに対する一切の記憶を持ち合わせていないからだ。二人がいつどんな風に死んだのかすら、思い出せない。無理に思い出そうとすると、胸の中がぽっかり空いたような虚無感に襲われる。
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