交換日記の始まり

1/4
前へ
/4ページ
次へ

交換日記の始まり

死にたい。 私はもう自殺のことしか頭になかった。 私の名前は加藤(かとう)優香(ゆうか)。 現在、高校一年生だ。 「優香、また1人で窓の外を眺めてるよ。」 「本当だ。マジでキモイ。」 「優香が教室に居るだけでキモイんだけど。」 「マジ、テンション下がる~。」 そんな声がいつも聞こえる。 その中でも、リーダー的な存在だったのは新谷(しんたに)友莉(ゆり)という女子。 彼女に逆らえる人は誰もいなかった。 さらに、友莉は先生にも気に入られているため、友莉が悪いことをしても、先生は全く怒らないどころか、被害者を悪者扱いするくらいだった。 だから私は先生に相談することすら出来ない。 皆も友莉の味方になって私をいじめてくる。 こんな学校は嫌いだ。 なれるもんなら、不登校になりたい。 でも、私は家がもっと嫌いだった。 だって、家族に暴力を振るわれるから。 家に帰って、私が一言でも喋るとすぐ殴られる。 学校でも暴力を受けることはあるけど、大人の方が力があるから、とても痛い。 ご飯はいつも与えてくれない。 だから、自分でアルバイトをして、自分でご飯を買っている。 お風呂も自分でお金を払って近くの安い温泉に行っている。 寝場所もないから、自分の部屋の地べたで寝ている。 でも、たまに親が不機嫌なときはベランダで寝かされることがあった。 そんな毎日が嫌で一人暮らしも考えた。 でも、親がお金を出してくれないから、コツコツと貯めていたのに、いつの間にか親にお金を盗まれ、貯金がゼロになってしまった。 私は何のために生きてるのだろう。 私の生きる価値なんてあるのだろうか。 死んだ方がマシなのではないか…。 私はそう思いながら、窓の外を眺めていた。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加