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俺の名前は武石大惺。
現在、高校2年生だ。
俺はいつも電車で高校に行っている。
でも、俺の利用している駅は秘境駅的な感じの駅であまり利用者が居ない。
いつも乗るのは俺ともう1人の女子高校生だけだ。
もちろん、俺は部活をやっているため、帰りはいつも1人だ。
彼女は俺の高校と同じ制服なため、同じ高校に通っているのは知っていた。
でも、いつも顔にはアザがあり、足にも打ち身があった。
いつも暗くて、いつも俯いている。
彼女に何があったのだろうかと少し心配になることもあった。
でも、彼女とは何の関係も無いし、あまり気にしないようにしていた。
そして、今日もいつも通り彼女と2人ぼっちになった。
その時、俺はあることに気がついた。
「あれ?俺のスマホがない!!」
俺は慌てた。
駅の改札口の前まではスマホをいじっていた。
ということはスマホは駅のどこかにある!!
俺は急いで狭い駅を探した。
しかし、どこにもない!!
俺はパニックになっていた。
もうすぐ、電車も来てしまう。
諦めかけたその時、俺のスマホを彼女が拾ってくれているのを見た。
電車はもう到着している。
俺は慌てて彼女に話しかけたのだ。
そしたら、彼女はビックリしたのか、
「やめて!!殴らないで!!」
と叫んだ。
俺は返ってきた言葉にあまりにも驚いて、唖然としていた。
彼女はそんな俺を見て、ハッとしたのか、スマホを俺に渡して、電車に乗った。
俺はその場に立ち尽くしていた。
なぜ、俺が殴ると思ったのだろうか。
彼女には悩みがあるのだろうか。
俺は頭がこんがらがった。
でも、彼女の目を見る限り、本気で殴ってくると思ったのだろう。
俺は彼女を少し観察してみようかなと思ったその時だった。
電車のドアが閉まってしまった。
「ああ!!待って~!!」
俺は一生懸命走った。
野球部の俺は足には自信があった。
しかし、電車は俺を置いて行ってしまった。
「はぁ…。」
ここは秘境駅なため、電車は1日3回しか来ない。
もう、午前の電車はなかった。
「今日はタクシーか…。お金が…。」
俺はそう言いながら渋々改札口を出た。
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