救出 三時間半のカーチェイス

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 普段は長距離トラックや営業車で賑っている新潟バイパス。しかし今日は一台も姿が見えず、代わりにけたたましいサイレンが鳴り響いていた。緊急走行中の警察車両数台の前には、二台の乗用車が走っていた。白いSUVを赤色の乗用車が追い上げている。速度は時速百五十キロを超えようとしていた。 「クソッ!」  先頭を走るSUVを繰りながら、小野 雄介が叫ぶ。助手席には傷だらけで半裸の男が一人、ぐったりと座っている。西日が深い傷を生々しく照らしつけていた。 ──
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