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ついさっきまで声を上げ泣いていたのに、この切り替えの早さ。
不安定な様子の敏也にノブオは恐怖を抱く。できることなら、協力などせずに今すぐ帰りたい。
「過去に戻るんだよ!!! 一緒に!! 倫子に会いに行こう!!」
再び立ち上がって握り拳を天に突き上げる敏也は、そのままガラガラと物を蹴散らし部屋を出て行った。
ドッタンドッタンと廊下を大きく踏み鳴らす足音が家中に響き渡る。
「これ、やばいやつじゃないか? 大丈夫かよ……」
ひとり呟くノブオはこの家に上がったことをひたすら後悔し、固まる。
廊下を踏み鳴らす足音が再びこちらに帰ってくるのを聞きながら。
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