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箱から説明書を取り出す敏也に、ノブオの小さな告白など届くはずもなかった。
「ほぉぉ。これが取扱説明書……トリセツってやつだな。ふんふん、なるほど……内容。人形が一体、包丁が一本、生米が一袋で塩が一袋で……縫い針が予備を入れて三本、テレビの砂嵐音源DVD一枚……うん、全部入ってそうだな」
気合の入りまくる敏也は点呼をとるように一つずつ指さし確認をした、三周も。
箱の中身たちが返事してこないことの方が、逆に不安になるくらいの確認に、ノブオの心はすっかり萎えてしまった。
だが、その様子を見ているうちに、ノブオは一昔前に流行したあの都市伝説を思い出していた。
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