第一話 再会

4/4
前へ
/169ページ
次へ
「そうだったのか! もしかしたらお前の念が俺を呼び寄せたのかもな……あっ! そうだ、とりあえず荷物受け取りのサインをもらいたいんだけども……」  取り出した伝票を見て、ノブオはハッとする。同じくそれを見た敏也も固まった。 「そういえば、このスティーヴンってのは……まさか敏也のことじゃ……」 「ああ、うん……なんとなくさ、本名を書きたくなかったんだよ」  そう言って敏也は靴箱の上にあった、スタンプのようになっているいかにも安物な印鑑をペッと押した。  スティーヴン・イヤマ様と書かれた横に不釣り合いに赤くにじんでいる。  どうせならボールペンでスティーブンとかイヤマとか書いたらいいのに……とノブオはそっと思った。
/169ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加