第二話 再会②

3/3
前へ
/169ページ
次へ
「おっ……そうだ、そうだ。そう、小学校!! どうしても聞いてもらいたい話があるんだよ!! えっと、ちょっと待ってな……」  立ち上がって敏也はごそごそと両手で物をかきわける。 「あった!! 小学校の卒アルだよ!!」  ノブオに卒業アルバムが手渡された。ガラガラ物を蹴飛ばしながら敏也は元のところへ座る。 「ほぉぉ、懐かしいな……河ノ沼小学校卒業記念か。はぁ、そうだったな。確か、俺と敏也が同じクラスだったのは五年生のときだったような?」  厚みのあるページを適当に開きながらノブオは尋ねた。  めくっても出てくるのは主に六年生のときのクラス写真だったり、遠足や運動会などの行事のものだ。 「そうそう、五年二組だったよ。それで……さ、野分倫子(のわきみちこ)って覚えてるか? 倫子も同じクラスだったんだけど」  一緒になってアルバムをのぞきながら、敏也は照れたようにおでこをかいた。
/169ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加