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「おっ……そうだ、そうだ。そう、小学校!! どうしても聞いてもらいたい話があるんだよ!! えっと、ちょっと待ってな……」
立ち上がって敏也はごそごそと両手で物をかきわける。
「あった!! 小学校の卒アルだよ!!」
ノブオに卒業アルバムが手渡された。ガラガラ物を蹴飛ばしながら敏也は元のところへ座る。
「ほぉぉ、懐かしいな……河ノ沼小学校卒業記念か。はぁ、そうだったな。確か、俺と敏也が同じクラスだったのは五年生のときだったような?」
厚みのあるページを適当に開きながらノブオは尋ねた。
めくっても出てくるのは主に六年生のときのクラス写真だったり、遠足や運動会などの行事のものだ。
「そうそう、五年二組だったよ。それで……さ、野分倫子って覚えてるか? 倫子も同じクラスだったんだけど」
一緒になってアルバムをのぞきながら、敏也は照れたようにおでこをかいた。
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