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「確かめたいって、もう一度会いたいって? またどうして……」
「いや、自分でも……何故だかわからないんだ。最近、急に彼女のことを思い出して……ものすごく気になるんだよ。それで、卒アルを探し出して片っ端から写真を見たけど、どこにも見つけられないんだ!! そうしたら、もっともっと彼女に会いたくなって……うっ、うぅ……」
体育座りの敏也はしまいに泣き出してしまった。嗚咽を漏らし泣きじゃくる中年男性を目の当たりにして、どうしたものかとノブオは困ってしまった。
だが、なんとかしてやりたいという気持ちも芽生える。
「そ、そうか……どうにかその野分倫子が存在していた、同じクラスにいたっていうのを証明できたらいいんだろうけど……うーん、どうしたらなぁ。何か当てがあればなぁ」
「実はな、一つ試したいものがあって。せっかくだからさっ! ノブオも協力してくれるよなっ!? なっ、なっ!!!」
待ってましたとでもいうように、バッと顔を上げる敏也はまっすぐにノブオを見据えた。
その目はらんらんと輝いている。
「はっ!? なっ、なにに!?」
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