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罰
結局、皇太の書いた小説を読むことはできなかった。彼はあの話をどこへ持って行こうとしたのだろう。どんな救いを見出したのだろう。
長野県へ向かうバスを待ちながら、そんなことを思い出していた。あの日とは違い、今日の空は眩しいほどに晴れ渡っていた。
雲ひとつなく、なんとなく太陽の光から逃れたい気持ちになった。世界は今日も明るく、皇太のいない日々は何の問題もなく回っていく。
何かがおかしいと思った。けれど、おかしいのはきっと僕の方だ。
だから、誰にも見つからないところで、この罪を背負おうと思った。
そうやって逃げ続けることが、僕の罰なのだろう。
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