破綻

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 午後の実験を終えて皇太と別れ校門を出ようとした時、優香が僕を見つけて駆け寄ってきた。 「中也くん、皇太知らない?」 「さっき教務課に行くとか言ってたから、まだその辺にいるんじゃない?電話してみる?」 「あいつ最近電話出ないから。てか昼休み、皇太と一緒に居た?」 「あ、うん」 「じゃあその場に居たんだ」 「ああ、ビンタね。なんだったのあれ」 「あいつ最近変じゃない?」  僕は自転車から降りて優香と教務課の方へ歩いた。 「優香ちゃんもそう思う?」 「うん、なんかいつも気が立ってるし、女癖は昔から悪かったけど、最近は節操がなさすぎる。中也くんと何かあった?」 「……いや、そんなことないはずだけど。でも最近夜あんまり遊びにこない」 「そっか。なんだろ、家で何かあったのかな」 「わかんない。聞いてみよっか」 「うん、お願いしていい?」  時計を見て優香は「行かなきゃ」とどこかへ駆けていった。いつも忙しい子だ。彼女のスケジュール張はいつ見てもびっしりと予定が詰め込まれている。僕は一応教務課まで行って皇太の姿を探してみたが見つからなかった。バイトもあったしラインで「大丈夫か」とだけ送って僕は一度アパートに帰った。
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