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……やがて春が過ぎて夏がやって来ると、彼の別荘に避暑に誘われた。
ここで過ごすのはもう何度目かになっていたけれど、いつ訪れてもまるで初めての時と変わらない感動を与えてくれるようだった。
山道の途中で見つけた直売店で買った旬の夏野菜を料理するために、彼とキッチンに立つ。
ナスを切りトマトをみじん切りにする私の隣で、彼が輪切りにしたパプリカを手早く炒め、トマトを加え煮詰めていく。
刻んだトマトが煮崩れてきたところにナスの他にカボチャやズッキーニを入れてカレー粉で和えたら、ブイヨンを投入して水で煮込む。
彼が赤ワインで味を整えると、カレーのいい匂いが鼻先に薫った。
「……美味しそう」
お鍋をかき混ぜる彼の手元を傍らで覗き込む。
「そろそろターメリックライスが炊き上がる頃だと思うので、このコーンを散らしてもらえますか?」
彼が削ぎ落とした朝採りのとうもろこしをザッと水洗いをしてほぐすと、ちょうどいいタイミングでご飯が炊けて、コーンを混ぜてお皿に盛ると、
煮込んだカレーを彼が器に注ぎ、二人で作った「夏野菜のスープカレー」が出来上がった。
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