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江藤さんはそれ以上何も言わず、ただ、ただ外を見つめていた。 どれくらい経っただろう。 俺の目が何とか乾いたころ、ガタッと音がした。 江藤さんが席を立った音だった。 「これ、よかったらどうぞ」 テーブルに置かれたそれは、可愛い包装のキャンディだった。 「あ…ありがとうございます」 「では、私は帰ります。温かくして、気をつけて」 「はい、あの…ありがとうございました。気をつけて」 江藤さんは軽く会釈して歩いて行った。 ハア…俺は何てことを…
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