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ヘンリオン公国 ローゼンベルク侯爵邸
「ばかばかしい。なぜ、そんなつまらんパー
ティーなぞ出席せねばならんのだ。」
不機嫌そうに、若きフリードリヒ=ローゼンベル
ク侯爵は言った。
「ローゼンベルク家の当主が、いつまでも独り身
では居れまい。方々手を尽くして御令嬢方にお集
まり頂いたんだ。せめて顔だけでも出しなさ
い。」
伯父のバーヒェンバッヒャー侯がたしなめる。
「自分はヴィルヘルム様の警護する親衛隊長でも
あります。つまらん嫁選びのパーティーの最中に
ヴルヘルム様に何かあったら…」
とフリードリヒが言いかけると、
「それは、心配には及ばんぞ。」
部屋のドアをガチャリと開け、ヘンリオン公国
第一皇太子 ヴィルヘルム=バウアー=ヘンリオ
ンが笑顔で入って来た。
「ヴィルヘルム様?!」
「僕も参加するからな。お前の為に選りすぐって
やろう。」
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