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あれから、約一週間後。
「おはよー。かなた!」
いつものように朝は英斗が家にくる。俺は、まだ覚めてない目を擦りながらランドセルを背負った。
「おふぁよう。」
いつも、こうして英斗と登校する。と、言っても俺は朝に弱いから脳が半分しか起きていないので、ほとんど話さない。
英斗によると寝起きの俺は、マジで怖いんだそうだ。自覚はないが、、。
でも、さっきから学校に近づくと、同級生達や他学年の子からちらちら見られているような、、。そんなに顔が怖いのか?
ま、どうせ英斗のことを見ているんだろ。金髪で目立つし。
でも、やけに今日は視線を感じる。ついに、英斗のファンクラブでも出来たんだろうか。
「じゃあ、後でね。」
「おう。」
やっと目がさめた頃、俺は英斗と別れ教室に入った。
「あ」
バッと皆が一斉にこちらを向くと、ヒソヒソと話し始めた。まるで、汚ないものをみるような目だ。
あー、あれか。いつも英斗といるから、女子に敵対心でも持たれてんのか。幼稚園でも、女子にめっちゃハブられてたもんなぁ。
そんな懐かしい思い出に浸りながや俺が席に座ると、カースト上位の男の子が俺の机をバンっ!と叩いた。
「え?」
「佐藤君さぁー。本当、最低だよね」
なにいってんだ、お前、と言おうとした瞬間、腹部に激痛が生じた。同時に、机がガターンと倒れる音がし、俺の視界が歪んだ。
「がはっ、、、。」
「お前さぁー。αの神原くんのこと妬んで、裏でひっどーいいじめしてんだって?」
笑いながらそいつは言った。何とか、腹を抑えながら立ち上がる。何をいっているのか理解出来ない。俺は、英斗をいじめたことなんてない。
「う、嘘、つけ、よ、、。」
「ああ?嘘な訳ねーだろ、英斗くん本人が言ってたことなんだからさぁー。」
え、、、。
「そ、そんなわけ」
「神原くん。泣いてたよ。あいつなんか嫌いだって。」
え、、、、。
俺の頭の中がぐるぐると回りだす。周りの声が聞こえない。
英斗は、俺のこと、嫌いだったのか、、。
「ふふ。最低な人間には、罰を与えなきゃ」
どこからか、そんな声が聞こえた。
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