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叶わない恋
この世界の人間は、3つの人間に別れている。それは、Ω(オメガ)、α(アルファ)、β(ベータ)の3つ。
α(アルファ)は、数少ない人種で、生まれ持ったカリスマ性がある。
Ω(オメガ)は、とても希少な人種で、女性だけでなく男性も妊娠ができる人種だ。特有のフェロモンを発情期と呼ばれる時に放つ。
αはΩが放つフェロモンを感じると性欲が抑えられなくなる。例え、理性が強い奴でも抑えが効かなくなり性行為を通りすぎ暴力を振ってしまうというケースも少なくはない。
そして、β(ベータ)。この人種は、世界で一番多い人種だ。言えば、凡人。βの男女が子供を産むケースがこの世界では一般的。Ωのフェロモンも感じることはあるが、理性は保てる。
俺はその一般的で凡人のβの一人、佐藤 彼方(さとう かなた)。高校二年生。
「かーなた。移動教室、行こう!」
このニコニコした金髪野郎は、神原 英斗(かみはら えいと)。人種は、α。頭も良くて、成績も良い。だが、何かとチャラい。
「ちっ。せっかく良いとこだったのに」
俺は、ゲーム機を中断させて机から教科書を出した。
「そんなにゲームしてると、目が悪くなるよ。あ!あと、背も伸びないよ~。」
「うるせぇ。すぐ伸びるわ身長ぐらい。」
一言余計なんだよ。
俺は、教科書と筆箱を持って立ち上がり、英斗を睨み付けた。すると、英斗はくすりと笑い、俺の顔をぐりぐりと遊んだ。
「ほーら、綺麗な顔が台無しだよ。」
そう言うと顔をグイッと近付けた英斗に、俺は一発腹パンを決めてやった。
「ぐお」
英斗が腹を抑えてしゃがみこむ。
あっぶね。
俺はすぐさま手の甲で自分の顔を押さえた。頬が熱い。
俺には、好きな人がいる。絶対に結ばれることはない。だから、隠しているのに、、、。
英斗の事が好きで、どうしようもなくなる。
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