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落下した滝澤は木のクッションに受け止められ、傷だらけになりながらも死なずに地上に落下した。
「な、何者だ!」
ヨロヨロと立ち上がった滝澤に気付いて木に向かって素振りをしていた騎士が振り返る。
「ま、待って……今はヤバい……」
「ニンゲン……!?ニンゲンの言葉に耳を貸す余地はない!いざ、勝負!」
厚い鎧に身を包んだ騎士は滝澤に向かって斬りかかる。咄嗟に滝澤は地面に落ちていた木の枝を掴んで返し技(相手の技を止めたり、避けて攻撃する技)を決める。
「(危ねぇ。よし、反げ……)」
滝澤はそのまま地面に倒れた。完全に疲労困憊が原因である。騎士は自分の鎧に傷が付いていないことに驚愕する。
「寸止め……だと?このニンゲン、恐ろしく強いが、何故こんなボロボロに……」
滝澤は木の枝を握りしめたまま気絶していた。暫く考えて騎士は滝澤を持ち上げて木の虚へと移動させた。
「ここなら傷も癒せるし、ワイヴァーンにも見つからないだろう。また起きたら語り合うとするか」
騎士は再び鍛錬に戻る。来たるべき戦いの為に。
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