出会い

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「かわいい」 「あっ、笑った」 今日は、同期みんなでユミの赤ちゃんのお祝い。本当、赤ちゃんって天使だ。かわいい。 「かわいい」シャワーが止まらない。 「次は誰かなー」 「次は、ミカちゃんでしょー」 えっ、ミカは驚いた。 演技でも何でもない。本気で驚いた。 でも嬉しさから否定しながらも笑みがこぼれた。 婚約おめでとう!そんな言葉を頂いたような幸せな気持ちになった。 ミカには2年前から仮同棲してる彼がいる。 名前は、コウタ。 コウタはなかなかのイケメン。 一流会社に勤務。長身で優しくて申し分ない。趣味はランニング。鍛えられた身体も美しい。 ミカは3年前友達主催の合コンでコウタに出会った。 特にコウタに興味があったわけではない。 正直、特別に惹かれることもなかった。 イケメンとも思わなかった。 「カッコいい」と思ってたでしよ?なんて言われるけど、本当に思わなかった。 たまたま近くに座った彼らと普通に話しただけだった。 ミカはコミュニケーション能力が高く、誰とでも楽しく話せるだけであった。 その合コンで、もうひとつカップルが誕生していた。 ミカも何故か付き合うことになった。 周りから見るといい雰囲気だったらしい。 普通だったけどなー、ミカにはよく分からなかった。 でも、よく見るとなかなかのイケメン。 連絡もとてもマメだった。 「おはよう」 「おやすみ」 「かわいいね、大好き、会いたい」 嬉しいこともストレートに言ってくれた。 今まで付き合った男とは違った。 嬉しかった。居心地も良かった。 ミカがコウタを好きになるのに時間はかからなかった。 イケメンとも思わなかったのに、あっという間にイケメン認定もした。 世の中の誰よりも自分が1番ラッキーな女に思えた。 自分に自信も持てた。 他人に優しくもできた。 とにかく幸せな毎日だった。 コウタは住んでいたアパートはそのままだったが、いつも私のアパートにいた。 私はコウタのアパートの存在は忘れ「同棲」している気持ちになっていた。 周りもそう思っていた。 幸せだった。 2年の同棲。 そっかー、そろそろ私も結婚かー、 同期の言葉が引き金となり 天使を見た帰り道、私は嬉しくて足取り軽く コウタの待つ自分のアパートに帰った。 「ただいまー」 いつものようにコウタに抱きついた。 コウタも優しく包んでくれた。 大好き、幸せ。
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