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外泊
朝帰りはあったけど、コウタは毎日帰ってきてた。
いつ帰ってきたかわからない時もあったけど、ちゃんと毎日帰ってきてた。
でも、昨日は帰ってこなかった。
あれ…、なんだろう、何かあったかな。
ミカは、スマホをじっと握りしめた。
連絡ができなかった。
コウタは、とてもマメな人だった。
何かあったら必ず連絡はくれた。
約束も守った。時間も守っていた。
連絡ができないほどのこと…、何となく嫌な予感がした。
この2ヶ月を振り返った。
一気に不安になった。
今までノー天気に捉えてきた、ひとつひとつの出来事が崩れ落ちていった。
ミカは冷静を保とうと必死だった。
落ち着こう。朝ごはんを食べよう。
でも、朝食は喉を通らなかった。
空腹も感じない。
頭の中に、ぐちゃぐちゃと何か分からないものが動いている感じになった。
お昼まで待ってみよう。
ミカは見えない不安と戦いながら時間が過ぎるのを待った。
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