1 セーフ

1/1
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ

1 セーフ

 俺は走る。  今は、何も考えられず、ただ我武者羅に走る。  暗い廊下を闇雲に走り、たった一つ出口を求め疾走。  玉のように吹き出る汗が、頬を伝い首筋へ流れ服へと染み込む。  世の社会システムを怨み、神が定めた人の生を、ひたすら呪う。  一筋の灯りを見つけ、そこが救いのセーフハウスだと信じて、一目散で駆けた。  まるで光を求め炎へ飛び込む蛾のように、俺は光の中へ飛び込む。  部屋の入り口に近い、"ある"個室に入ると、もうそれ以上何も考えずに、本能にしたがう。  そして――――――――――――ズボンを下ろした。  ぶぶっ〜、ぶりぶりぶりぶりぶりぶり!
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!