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「そのイヤーカフ、仁のニューモデルなんでしょ?」
陽菜はアクセサリー好きだから、すぐ目が行くんだろうな。
「うん。今回のラインアップもなかなかいい感じ。後で他のも、見てみる?」
「欲しくなりそう。増谷さんにでも買ってもらおうかな。同じシリーズのメンズバージョン、仁さんも身に着けてるんでしょ?それって、凜と仁さんがお揃いになっちゃわない?律さん、何も言わない?」
「デザイナーは仁だしね。それにジェイも持ってるらしいし。。。。律は気にしないんじゃないかな、商品のプロモーションっていうかさ」
「そうゆうものかなぁ?」
陽菜は納得のいかない顔をするけど、律がいちいちジェラシー感じてくれるとは思えないんだよね。
「陽菜のためなら、増谷さん、何でも買ってくれそうだし、陽菜もいいお得意様になってくれそうだね」
「お得意様はいいけど、なんか、今、さり気に聞き捨てならないセンテンスが聞こえてきたけど。同じブランドアクセサリーを仁だけじゃなくジェイも持ってるっていうこと?何それ?いいわけ?一歩譲って、仁はデザイナーだからいいとしても。。。。会って話すことは出来ない状況かでありながら、ジェイとは繋がってる的な感じなの?」
「星波の生物学的父親ですから」
「なんだかなぁ。不安要素ありまくり。焼け木杭に火みたいなことになるんじゃないの?」
「双方、配偶者と子供いますから。ちゃんと年を重ねていくよ。それに、ジェイとの10歳の年の差は変わらないからね」
「なんか、その言い方、未練ありに聞こえるけど」
「星波が似てくるの、どんどん。。。」
ちょっとした表情とかに、ドキッとすることがあるのも事実。
「律さん、大丈夫なの?」
「律はね、相変わらず、星波も愛柚も変わらず可愛がってる感じかな」
「心広すぎ」
私もそう思う時がある。律はちゃんと星波のことも可愛がってくれるから。でも本心ではどう思ってるんだろうって。。。
「でも、この前ね、すっごい大きくて、ガラス張りの籠の中に入れておくって言われた。籠の中にいるのが分からないくらいの。。。」
「凜を籠の中に入れておくってこと?でも逃げ出すのは許さないと。。。」
「それが律の愛情表現だって」
「すごい表現方法」
「うん、でも今は、それもイヤじゃないかなって。ほどほどに心地良い時もある。安心感あるし」
「もう、そこまで来ると、お互い、悟りの境地に近いんじゃない?まぁ、凜は根っこが律と同じようなところもあるよね、仁さんマターでは。。。。そもそも過ごしてきた時間が長すぎるんだよ、三人で。今更、離れるのは無理なのかもね」
離れるのは無理なのかもしれないね、だって、私たち『三つ子ちゃん』って言われてたくらいだから。
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