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タクシーが止まったお家は立派なお屋敷の前で、車寄せまでついている玄関で停車した。
「とりあえず降りようか、凜」
私は諦めて、タクシーを降りる。
なんとなく、こんな感じになるのは予想はしていた。
だって、ここ数カ月、私の周りが騒がしかったから。
今、話題の双子のモデル、仁と律。
ネットで騒がれ始めたのは1年前くらいから。
そう、あの二人だったんだ。夏休み、いつも一緒だった二人。
「本村さんって、モデルとかに知り合いとかいる?」
あまり話したことのないクラスの女子から声をかけられた。それも1度や2度ではない。
「いないよ、何で?」
「この前、私の友達が、あの双子モデルのファンの集いみたいなのに参加したら、本人たちから聞かれたらしいんだよね。『君の大学に本村 凜っている?』って。」
「凜って名前、結構いるから、他の子かな」
「でもフルネームで聞かれたらしいよ。なんか彼らの知り合いが女子校の演劇部の文化祭発表のDVDを双子くんに見せてくれたんだって。それに本村さんが出てたとかなんとか」
具体的すぎて嫌だ。確かに私は高校時代、演劇の発表会に駆り出されて。そっか、映像残ってたんだ。それを彼らが見た?
それで行ってた高校が特定されちゃったのかな?
ただ身長が高いって理由だけで出ることになった文化祭の演劇。女子校で背が高い=男役だよね。それをあの二人に見られたってこと?苗字だって二人が知っていたあの頃と変わっていたのに。なんでバレた?
「まっ、知り合いとか言ってるけど、絶対彼女経由だよね。っていうかガールフレンドの一人だろうけど」
話がそれた。よかった。
そんなこんなが複数回あった。
あの二人、仁と律が私を探してる?
それはほぼ確信だった。
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