再会

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再会

「仁、凜は裏口にまわったぞ」 「了解、必ず捕まえる」 大学の表玄関が騒がしい。 特に女子の声のボリュームがでかい。黄色い悲鳴。。。もう死語か。 「何かあったのかな?」 美羽が興味津々に人だかりを見ながら、呟いた。 やばいかも。。。。 「ごめん、ちょっと忘れ物した。先、行って」 私は裏口にダッシュをかける。気のせいか、今、女子学生の注目の的と目が一瞬あったような気がする。気のせい。。。。。? 裏口には、やっぱりだ。。。ダッシュで走り抜けようとするが、腕をつかまれた。 「久しぶりだね、凜」 走るのも、けんかも、運動でも、この男子、「仁」には一度も勝てたことがない。 護身術は習ったけど、どの技をかけても、はらっても何も役に立たない。 「へぇ、よく動けるね、だけど残念、無駄だと思うよ」 軽く腕を締め上げられる。力が抜ける。 タクシーが止まる。奥の席に押し込められた。 掴んでいた腕は外されたけど、今度はしっかりと手を握られた。 「もう逃げられないよ、凜、追いかけっこは僕らの勝ちだね」 久しぶりに会う仁は私が知っている彼より、ずっと大人な雰囲気を醸し出している。 「....どこに行くの?」 「僕たちの家かな」 「律は?」 「後から戻る。僕らのこと、すぐわかるんだね、7年ぶりなのに?みんな、なかなか区別つかないのに」
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