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しばらくして、兵士がやってきた。少女は見つからず、ネガとポジの石板があった。老人が兵士に言った。
「娘は太陽と月、ふたつの魂を残して身体は死んでしまった。息子と共に・・・」
兵士は信じるしかなかった。ふたつの石板と翡翠のネックレスを輿に乗せて、王宮へと向かった。
兄と妹は川辺に着くと、舟に乗って故郷を後にした。もう、戻ることはなかった。
その後、『月の儀式』ではネガの石板が、『太陽の儀式』ではポジの石板が掲げられ、生贄が捧げられる風習はなくなった。
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