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「ルネ!!」
「わざわざお祝いのプレゼント贈ってくれてありがとう! 直接報告したくてたまんなかったよ!」
「オレも夢を叶えたルネに、早くお祝いを言いたかったよ!
ルネ、本当におめでとう!!」
「ありがとう!」
手を取り合いながら再会の喜びをかみしめる。
満面の笑みで答えてくれるルネは、長かった栗色の髪の毛を肩の上で切り揃えて、ちょっと大人っぽくなってた。
けど、
「イチタロウも・・・」
と言っていたずらそうに笑うとこは全然変わんないな。
「お父さんになるんだよね。おめでとう!」
「ありがとう、ルネ」
ちょっと照れくさいけど、すっごく嬉しい。
そう。今アデルのおなかには、オレとアデルふたりの赤ちゃんが宿っているんだ。
今年の初めにアデルの妊娠がわかって、この間国民に発表したばかり。
生まれたら、オレたちの結婚式以来のでっかいお祭りになるんだろうなあ。
「ねえ、ここだと目立つから、ちょっと庭園を散歩しない?」
ルネを誘うと、すぐにうなづいてくれた。
新品の近衛兵の軍服を身にまとったルネは、幸せそうにはしゃいでる。
「楽しみだね。男の子? 女の子?」
嬉しそうに聞いてくるルネ。
「それは生まれるまでの秘密」
「やっぱりそうかー!」
そう言って声を上げて笑い合う。
この世界にきて最初に出会った、最高の友達。
いろいろあったけど、こうやってふたりで歩けるようになって嬉しいよ。
桜並木を見上げながら、ここに来てからの思い出を振り返る。
うんこのおかげでルネのおうちに拾ってもらえて、うんこのおかげでアデルと結婚できた。
次は、生まれてくる赤ちゃんのうんこを最初に取り上げる儀式が待ってる。
まだまだオレの物語は続いてくんだ!
赤ちゃんのためにもがんばるぞ!!
「生まれてくる赤ちゃんのうんこはどんな色なんだろうね?」
「きっとオレとアデルのうんこをミックスしたみたいな、今日の空みたいに綺麗なブルーだよ」
ルネが空を見上げながら、言った。
「最良のうんこがもっと最良になるんだね」
「そうだよ。だってオレとアデルの子供だもん。きっと歴史に残るうんこをする赤ちゃんが生まれるよ。楽しみにしてて!」
そういうと、ルネは最高の笑顔でうなづいてくれた。
「最良のうんこ万歳!!」
綺麗なブルーの空に、ルネの祝福の声が響き渡った。
オレを取り巻く人たちみんなが、快便に恵まれますように!!
最良のうんこ万歳!!
【Happy ever ending STORY】
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