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お仕置き
いつものタケちゃんとは違う有無を言わさぬ声色に腰のあたりがキュンと疼いた。こんなことになるなんて、ついさっきまでは夢にも思っていなかった。後ろ抱きの拘束に思わず身じろぎ生唾を呑めば、「気をつけ」と制す低い声。
「んっ……」
「じゃあ、今からものすごく痛いお仕置きするからね?」
「ん、ふっ……」
タケちゃんがどんな顔しているのかはわからない。ツンツンつついたり、爪でピンと弾いたり、その度に恭平が切ない息を吐くのに呆れているかもしれない。そのときふとカップボードの開く音がして、恭平は予想外の展開にたじろいだ。いったいどんなことされるんだろう。そこに入っているのはたしか、輪ゴム、ドライバー、充電器、裁縫道具、毛抜き……。
「オシッコちびっちゃっても止めないよ」
その言葉に再び生唾を呑んだそのとき、乳首に熱されたような痛みが走った。
「いっ……?!ひっ、え、やっ……!?」
熱い!痛い……!
「タケちゃぁん……いたぁい!」
「我慢しなさい」
得体の知れないヒリつく熱がじわじわと胸全体に広がっていく。とうとう堪えきれず薄目を開けると、果たしてそこには消毒薬のボトルを握り、真剣な顔で傷を拭うタケちゃんがいた……。薬液の染みたティッシュが乳頭を掠める度、熱さと痛痒さで胸がいっぱいになって、その何度目かでイってしまった。
「ちびっても止めないって言ったよ?」
「ごめんなさい、やめないで……」
「もう、悪い子だな、恭平は。あとはどんなのがいい?」
「ちゅってして、それで、歯で……」
「うーん、それはカサブタになるまでやめとこうか。口ってバイキンいっぱいだから」
「うぅ……」
「でも、正直に言ってくれて嬉しい」
お預けを食らった乳首の代わりに肩口でちゅっとリップ音がした。
その夜は久しぶりにタケちゃんと抱き合って眠った。お腹ゆるいなんて嘘だと告白したら、「正直に言えていい子だね」と胸に優しいご褒美をくれた。
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