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甘く抗い難い口づけからアズールスは唇を離すと、柚子の身体を持ち上げて立ち上がった。 「離して下さい! 自分で歩けます!」 お姫様抱っこをされる形になって柚子は抵抗したが、アズールスは気にせず歩き出した。 「靴を履いていないだろう。このまま歩いたら足が汚れる」 アズールスに言われて足を見るとら柚子は裸足だった。昨日まで履いていた靴は自室のベッド脇に忘れてきた。 「重いから、離して……」 「大丈夫。さっきも言ったが、ユズは軽い」 「もう……。離して、下さい……」 柚子が顔を真っ赤にしながら消え入りそうな声で抵抗したが、アズールスは気にしなかった。 「今夜は俺の部屋で寝るか」 屋敷の中に入る前に、アズールスは提案した。 「えっ!?」 (そ、それって……!?) 柚子の心臓はドキッと大きく鳴ったのだった。
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