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02 AKIHABARA CITYVIEW A.D.2120
「ねえセリア、人間以上の反射神経って普段の生活で必要かな?」
「それを今から聞きに行くのではないのですかマスター。」
研究所から聞きだした情報を基にその被験者の元へと向かう。場所は変わらず秋葉原。研究所によると体感型ゲームセンターにいるとのことだった。そういった所は今どき珍しい。家庭で十分ゲームはできる。高価ではあるが体感型システムも発売されている。
「エリス、彼女はそう呼ばれているのね。有名なプロゲーマーらしいけれどその分野は疎いわ。」
「マスターは縁がなさそうですね。何せ東大文学部を次席で卒業するくらいですから。それにいわゆる腐女子で同人誌まで作っているという筋金入りなので。」
「ねえセリア、そういう事街中で淡々としゃべらないでね。今どきどこで記録されているかわからないんだから。」
二人は目当てのゲームセンターに到着した。エリスはこの時間毎日ここにいるという。館内を回っていると人だかりができている一角があった。いわゆる音ゲーの筐体があるコーナーだ。そこで一人の少女が尋常じゃないステップを踏んでいる。画面には人間の運動神経ではおよそ不可能なコマンドの連続でこれがいわゆる人間以上の反射神経が求められている現場だった。
「あの、あなたがエリスさん?」
「今話しかけないで!5000万の賞金がかかっているから!!」
プロゲーマーによるネットワーク対戦で企業がスポンサーになっている。エリスにとってそれは人生だった。
対戦が終了すると見事勝利し賞金を手に入れていた。
「ユイさんだっけ?さっきはごめん。エリートサイボーグクラスの決勝だったから。」
「あなたを見て反射神経の強化がどこで求められているかわかった気がするわ。」
「警察が来るって聞いてたから少し構えちゃった。私あの車で家に帰るから、じゃあね!!」
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