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「ペットボトルで飲めるか? 開けて皿に移した方がいいか?」
「あぁー……大丈夫です。皿が楽ですけど、自分でやれます。お水、ありがとうございます」
ジェット先輩が帰ってくるのを待っている内に、しゃっくりは治まっていた。
それと交代するみたいに、締め付けるような頭痛に襲われていた。きっとこれは、水分不足なのだろう。
その推理の答え合わせをするかのように、ジェット先輩の持ってきてくれた水を飲んだら少しずつ痛みが和らいできた。
「具合が良くなってきたのは何よりだけど、酔いが抜けてきたみたいだな。折角なら腹を割って話したかったけどなぁ。
あ、腹を割ってってのは──」
「本当にお腹を割るわけじゃないんでしょう?
大丈夫です。俺がタヌキだってちゃんと信じてもらえるなら、白面でもちゃんと話しますから」
白面で言ってみると微妙だな、アライグマジョーク。
「それなら嬉しいな! いやぁ、実は俺ってタヌキに憧れてたんだ!
世界的にはどちらかといえばアライグマの方が有名だったらしいけど……アライグマよりタヌキの方がクールだと思ったんだ! 噂だと、タヌキってあのキツネよりも化けるのが上手いんだろ?!」
クール。『冷たい』だったか『カッコいい』だったか忘れたけど、きっと話の流れからすると『カッコいい』の方だろう。
自分だけの事で無いにせよ、そう誉められると照れるものだ。
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