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眠ちゃんはね、いつも僕をいっぱいいっぱい甘やかしてくれるの。
「お腹空いたぁ。」
「ふふっ、じゃあご飯食よっか。」
「んーでも、眠ちゃんも食べたいかも。」
「もう、からかっちゃ駄目だよ。」
口説き文句を囁かれて、耳まで紅潮させてる相手が可愛い。
このままずっとずっと、永遠に僕が独占したいなぁ。他の兄様に一時間たりとも譲らずに、彼女をこの屋敷でドロドロに溺愛したいなぁ。
「愉しそうな顔をして何を考えてるの?」
膝枕されている僕を、お姫様が見つめて首を傾げている。
ふわふわでとっても柔らかな相手の髪に触れて遊びながら、僕は投げられた問い掛けの答えを吐いた。
「ふふっ、秘密。」
「悪戯っ子。」
「でもそんな僕も好きでしょう?」
知ってるよ。
僕は何でも知ってるの。
でも眠ちゃんはきっと知らないよね、僕が眠ちゃんが死ぬその瞬間まで縛り付けたいと云う欲望を抱いている事を。
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