2018年 〔春の陣/睦月鍋〕

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2018年 〔春の陣/睦月鍋〕

555次元:ダイモンが来た  シャットダウン確認後、晩酌の支度を始めた。今夜は大晦日だが、だからと云って、食卓のグレードが上がるわけではない。いつもの酒を、いつもの酒肴(さかな)を食べながら、いつものように呑む。それで良いのだ。他に何も望まぬ。支度を終えてから、ラジオの電源を入れた。  焼酎の水割りを呑みながら、松山千春がパーソナリティを務める『ON THE RADIO』(NACK5)を聴いた。まぎれもない「年内最後の放送」だ。自然、2017年を振り返る内容になった。松山トークは相変わらず絶好調だが、食欲がまったくないという話に関しては、いささか心配を覚えた。  一旦、テーブルの上を片づけた。もうひとつの愛機、ニンテンドーDSを起動させた。迷宮探索型RPG『エルミナージュⅡ』の続きを始めた。  ラジオ第1の『紅白歌合戦』を聴きながら、ラストダンジョン「聖礎コントラキオ」に潜り込んだ。コントラキオは、複雑な構造を有する巨大迷路であり、加えて、手強い化物が要所に配備されている。攻略には相応の手間がかかる。じっくりやるしかない。慌てたところでどうにもならない。  潜入部隊は、ガラダ(戦士)トロス(戦士)ダガン(司教)バジン(司教)クレオ(忍者)ファルコン(盗賊)の6人になるわけだが、これは「宝探し」を目的にした編制であって、決戦用のそれではない。首魁と対決する際は、ファルコンを外して、ゴルゴ(狩人)を入れることになるだろう。  洗面所に行き、歯を磨いた。磨いてから、うがい液で口中をすすいだ。居室に戻り、円盤(DVD)再生機を起動させた。同時に『深夜食堂 第四部』の再生が始まる。第40話「年越しそば、再び」を観る。  第四部のフィナーレだが、吃驚するような展開が用意されているわけではない。又、こちらも期待していない。そういう類いの番組ではないからだ。淡々と始まり、淡々と終わった。深夜食堂らしい幕の閉じ方だと思った。  休憩後、円盤を入れ替えた。橋本力主演(と、云いたい)の『妖怪大戦争』を観る。同映画の魅力は、何と云っても、来寇者ダイモンの異様な存在感であろう。ダイモン役は当然橋本さんである。  栗本薫の『魔界水滸伝』の前半に「まるで『妖怪大戦争』ですね」という台詞があったはずだが、それは、この映画を指しているのだと考えられる。薫先生、ファンだったのかな。〔1月2日〕
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