2018年 〔春の陣/睦月鍋〕

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561次元:名人に勝つ  なにやら凄い騒ぎになっている。来月の17日に、永世七冠の羽生先生と将棋(と謙遜)の天才の藤井ちゃんの「公式戦初対決」が、朝日ホールで行われるそうである。お二人とも正統派棋士、真っ向から斬り合う激しい戦いになりそうだ。へっぽこ代表の俺でさえ「これは観たい…」と、強く思う。  好きとも詳しいとも思えない人たちまでが、いっしょになって騒いでいる姿には、失笑を誘われないでもないが、まともな形で世間の注目を浴びるのは(基本的に)良いことだし、競技人口のプラスにも繋がる。どんどん騒いでもらいたい。そのプラスの中に、羽生・藤井級の「新たな天才」が含まれているかも知れないしね。夢が膨らみます。  これほどの大一番となると、普段は「将棋の番組」なんてやったこともないテレビ局が中継をやるかも知れないですね。もしあなたが、それを楽しみたいと考えるのならば、各駒の性能とルールぐらいは、事前に頭に入れておこう。興味や面白味が倍増するはずだ。  記憶力に自信がない人は、傍らに一冊置いておけばいい。本屋に行けば、初心者向けの入門書が何冊も売られている。買ってください。この機会に。野球にしろ、サッカーにしろ、何対何かもわからない…では、どうにもなるまい。将棋もチェスも、その点では同じである。  藤井ちゃんの落ち着き払った態度や言動には、毎度好感(と若干の畏怖)を感じているが、俺としては、羽生先生に頑張っていただきたい。貫録を示していただきたい。応援しています。当日は念力を送ります。まあ、俺などが応援したところで、文字通り「なんにもならない…」けどさ。  昨年から続いている藤井旋風を眺めながら、俺が再認識したのは「将棋」というゲームが持つ不思議な魅力である。仮に将棋がこの世に存在しなかったら、羽生先生も藤井ちゃんも、才能を発揮しようがなかったわけで、こういう優れた盤上遊戯が日本にあってくれて、本当に良かったなあと思う。  栄誉賞授与もまことに結構だが、そろそろ、小中学校の授業に将棋を組み込んでみてはどうだろうか。将棋的思考を身に着けておいて損はない。人生や実生活にも応用可能である。  先ほど、朝日新聞のホームページへ飛び、藤井ちゃんと佐藤名人の棋譜を閲覧した。まったく見事なものである。無論、高尚なことなどわかるわけがないが、俺なりに堪能させてもらった。〔1月19日〕
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