2018年 〔春の陣/睦月鍋〕

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563次元:悪魔の棋力  晩酌後、洗面所に行き、歯を磨いた。居室に戻り、円盤(DVD)再生機の電源を入れた。自動的に『真田丸』(3枚目)の再生が始まる。  第11回「祝言」と第12回「人質」を続けて観る。なかなか面白い。時代劇とか、大河ドラマとか、そういう枠を飛び越えた「三谷喜劇」として、堂々と成立してしまっている。脚本も巧いが、役者も巧い人が揃っている。特に上杉景勝に扮した遠藤憲一の落ち着いた芝居が良い。元々器用な俳優さんだが、同役を機会にして、更に演技の幅を広げて欲しいものである。  翌日は「朝の8時」に眼が覚めた。洗顔後、台所に行き、湯沸かし器にミネラル水を注いだ。窓ガラスの向こうに冬の青空が展開していた。今日の関東は「終日晴れ」の予報が出されている。バルコニーを最大限に利用して、脱水衣類と寝具類を干した。  台所に戻り、沸き立ての湯で即席コーヒーを淹れた。昨日、近所のパン屋で買った「ザクザクショコラ」なるものを齧りながら、熱いやつを飲んだ。  居室に2杯目を運んだ。飲みながら、原作デビルの「妖鳥死麗濡編」を再読した。第1の殺し屋、死麗濡(シレーヌ)親分は、二人の子分(ゲルマー&アグウェル)を引き連れて、不動明の居候先である牧村邸に夜襲を仕掛ける。  この戦いで、シレーヌは二子分を「捨て駒」として使っている。非情の采配だが、なにしろ悪魔である。勝つためには、手段は選ばない。親分は賢いし、精神的にもタフである。将棋やチェスをやらせても相当強いと思う。  合体して間もないせいだろうか、シレーヌ編の明は、悪魔(アモン)の意識を完全にコントロールできていない感じがする。明の口を借りて「アモンが喋っている…」ような印象さえ受けるのだ。ゆえに動画デビルに近い雰囲気が味わえる。記すまでもないが、あちらは、悪魔が支配権を握っている。この違いは大きい。名前は同じだが、まったく別物のヒーローと云っていい。  読後、愛機を起動させた。ぴよぶっくを呼び出し、ダサクの編集に没入した。気がつくと、正午を過ぎていた。たかが1頁を仕上げるのに、約3時間だと?生来の遅筆とは云え、これは酷い。我ながら愕然となる。  作文能力には当然「書くスピード」が含まれている。遅いわ、内容は薄いわでは、どうにもならない。それでもめげずに書き続けているのは、ひとえに「好きだから」である。〔1月21日〕
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