2018年 〔春の陣/睦月鍋〕

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565次元:異形兵器群  地元駅下車。改札を抜け、階段を下り、外に出た。思っていたよりも積雪量が多い。どうやら、我が町は東京よりも寒いらしい。  今日は終日快晴で、降雪はなかった。もし、昨日の雪が降り止まず、今日も明日もと、延々降り続いたら、いったいどうなるのか、想像しただけでもゾッとする。都民と周辺県民は相当な難儀を強いられるだろう。  横山光輝、最大(多分)の異色作『マーズ』には「六神体」と呼ばれる怪兵器が登場する。初戦の相手、ウラヌスは「天候を自在にコントロールする能力」を有している。この力を使って、東京を雪の底に沈めてしまう。  宣伝気球に偽装したウラヌスは、大胆にも首都上空を浮遊。その後、富士山頂へ移動する。誰一人、気球の正体に気づく者はいないのだった。仮にいたとしても、その場で殺されてしまうだろうが…。  六神体の威力は絶大である。核兵器は別として、人類の武器は一切通じない。弾丸も爆弾も、神体の装甲を破ることはできない。神体操縦者たちの横柄な態度や発言は、それに由来する。  人間など数の内に入らぬ。彼らの狙いはマーズの首である。あいつを討ち果たせば、全てが終わる。地球消滅を巡る死闘が展開する。ヒーロー(人類の味方)として行動するマーズが「狂ったアンドロイド」という設定も凄い。  いつも使っている歩道が「雪道」になっていた。いや、正しくは「氷道」と呼ぶべきか。表面がツルツルしていて、まことに歩き辛い。  道中、二度ほど転倒した。前に倒れたからまだ良かったが、後ろに倒れていたら、後頭部をしたたかに打っていたかも知れない。翌日の朝、無様な死骸をさらしていたかも知れない。ともあれ、危ない。自転車走行などは、まさに論外で、ほとんど自殺行為に等しい。即刻やめるべきだ。  帰宅後、屋根裏部屋に行き、腕立て伏せをやった。風呂場に行き、温水を浴びた。体を拭き、服を着た。居室に行き、晩酌を始めた。幕の内弁当の惣菜を酒肴代わりにして、焼酎の水割りを呑んだ。  この幕の内は、公園の近くにある店で買ってきたものである。おっちゃんもおばちゃんも元気に商売をされていた。お二人は、おそらく御夫婦だと思うが、本当に働き者だ。たまに、娘さんが店番に立つこともある。顔つきはお母さんそっくりで、声も似ている。同店をモデルにした小説を書きたいものだが、俺にそんな才能はない。〔1月28日〕
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