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プロローグ
いつもの怪獣が待っているあの場所
電車に乗っている時に見えてくるあの大きな乗り物
幼き私の心が躍動する処
家の近くにあればとずっと憧れていた遊園地がある
幼い時によく見た夢は家の床下がプールになっている景色
ロボットアニメで到着場所まで行く手段として身体がやっと入れるスペースの滑り台がありその中に入って目的地のコックピットまで行く
何のためにそんなことするのか
大人になった固い頭では理解不能だが子供の時はその無駄な工程が
とにかく楽しそうで憧れだった
毎日好きなだけ遊び、疲れたらすぐに蒲団で寝る
一日中、遊園地で遊びたかった
一日中、プールで遊びたかった
(ふわふわ)って云うエア遊戯がある
中に入ってとにかく好きなだけ動くだけの遊戯
私はあれが大好きだった
とにかく身体を動かす
もう楽しくてしかたがない
ずっと時間がくるまで笑いながら他の子達と一緒になって飛び跳ねる
筋肉が、関節が、身体が躍動する事を喜んでいる
私は遊びに行って家に帰る度に熱を出した
決まって熱発し寝込んだ
そんな私を見て父親は舌打ちをする
私は布団を被り心の中で謝罪する
「ごめんなさい、怒らないで、僕はなんて弱いだろう」
まだジェットコースターに乗る勇気はない
男の子なのに怖がりだと言われても怖いものは怖い
嫌なものは嫌だ
特にお化け屋敷なんてとんでもない
もう二度とあいつには会いたくない
コンビニ喫煙場所で煙草を吸っている時、雀の子供を三匹見かける
大人の男の私でもその光景は可愛いと思うし
そして、もう人間をやめたいとも思う、度々に
あとから、とても不自然に太った一匹の子雀を見た
なにか肉の塊が移動しているようなモノに見えてくる
嗚呼、此奴に餌を取られているんだな、だから残りの雀は小さいのか
まるで老害の様に力関係を見定めて動く
過去に留まった記憶が醗酵したかの如くズカズカと土足で踏み込んでくる私の鬱積した思考回路に我自身吐き気がする
「よくも私のあられもない姿を見たな、絶対に許さないからな」
子供の時の記憶
もうそれが本当に経験したことなのか
夢で見たことなのか分からなくなっている
病的に暴力的な呪詛の羅列、
この世には狂った人間もいる
確実にいる
他人様に実害をもたらす害悪
この世に生まれ出た時は一人も例外なく悪しき魂は居なかった筈
それがこの不自由な肉体舟にて生きているうちに
心が汚泥を堆積させる
経験によって獲得せざるを得なかった記憶
行動パターンの判断基準
今日もあの太った雀の子を見た
今日も一匹で行動していた
雀の天敵には鴉が居るが一緒にゴミを漁っている同志の姿しか見たことはない
今どきの野良猫も雀狩りはしないだろうし
都会には雀を捕獲する外敵もいない
生きにくいのは人間だけ
人間だけが己自身の愚により生きにくくしている
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