面白さを維持した二巻から四巻!シリーズ作品の典型そのままの五巻以降!

3/6
前へ
/188ページ
次へ
 クラスの出し物の演劇『ロミオとジュリエット』では、なぜかクラスであまり目立たない西羽良(にしはら)が手を挙げ、ジュリエット役に古都子を推薦。  意外な展開だったが清一と知り合ってからの古都子は清一たちのバックアップもあって、クラスメイトの好感度もup。満場一致で決まった。  ロミオ役はクラスのムードメーカー。その実、「三バカ大将」の一人の三賀本(みかもと)。  もともと三賀本は優佳のジュリエットを希望していたのに、優佳は文化祭でラジオのDJをすることになり出演が難しくなったのだ。  どたばたのうちに迎えた文化祭。メイド喫茶は大盛況。雷神と恐れられている生徒指導の田所もメイドカフェを訪れ、娘と共に愉しむ。  表向きは順調だったものの、清一はこの合同文化祭自体、亜湖が古都子を陥れるために計画してものだったと知る。黒陵の生徒会を実際に動かしていたのは亜湖その人だった。  中学時代。  亜湖の恋人、響弥はサッカー部のエースだったが弱い者いじめしているところを古都子に叩きのめされ警察沙汰になりヒーローの座を追われた。その時の怪我がもとでサッカーも続けられなくなった。  もともと女王様を気どっていた亜湖は自分になびかない古都子を憎んでいた。響弥の将来が断たれたことで古都子を逆恨みし、SNSで古都子の悪い噂を流していた。  その仕上げが合同文化祭だったのだ。  文化祭のラジオ番組を利用して古都子の悪い噂を学校中に広めようとした亜湖だったが清一の機転で失敗。  「ロミオとジュリエット」の支配では大道具の看板が落下。照明を担当していた清一が古都子を助け出した。  結果的に芝居の結末は、清一と古都子がくっついてハッピーエンドとなり三賀本は苦笑いするばかりだった。  この事故の陰に亜湖の計画があったことを、清一は西羽良からの告白を受けて知った。  合同文化祭のクライマックス。  ミスコンに古都子、天女、聖美、そして亜湖等が出場することとなった。  亜湖はこのイベントを悪用し、古都子に一生消えない傷をつけられたと訴え、古都子の完全イメージダウンを図る計画だった。  清一は生徒会長の八百谷と協力。  最後の大逆転!ミスコン会場も学校内も大騒ぎになったものの、亜湖の企みは完全に失敗。  清一への憎悪も露わに三影高校から去って行った。  「こんな方法しかできなかったのか?お前ならもっとスマートにできたはずだ」  清一の前に立ったのは、厳しい表情の田所。  「学校としてはダメに決まっている。両校の縁に傷が入る可能性があった。 だがお前の事情もあるだろうから、私個人として今回の件は見逃そう」 と言い残し、  「だがあの人は黙っていないだろう」 と謎の言葉をつぶやき、清一の前から去った。  (次の巻に登場する生徒指導の村上についての伏線)  清一はロミオの扮装でジュリエット役の古都子と記念写真におさまった。  古都子が完全にクラスの一員として受け入れられたことの証しだった・・・  文化祭で優佳は、清一への思いをハッキリ打ち明け、古都子とは、清一とハッキリしたかたちでつきあうための良いライバルと認め合うことになる。  なお六巻、七巻と、三人称で書かれるくだりがあちこち挿入されるようになる。                                                          (六巻、七巻)  
/188ページ

最初のコメントを投稿しよう!

64人が本棚に入れています
本棚に追加