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ただこの作者。
「自分はミステリー作家である」
と誇りがあるのか、あるいは勝手な二次創作をされてお怒りになったのか、
途中から両者の関係に変化が見られなくなります。
最後の『家庭内事件』は短編集ですが、柳瀬さんは一応登場するものの殆ど活躍することなく終わります。
『家庭内事件』を刊行する際、創元推理文庫では全巻表紙を一新。
完全にラノベタッチなイラストに変更しました。
サイトで調べると、
「ラノベを強調するテコ入れ」
と推測する文章がありました。
ただし魅力的なヒロインのイラストが描かれていても、肝心なヒロインが活躍しないのではどうしようもありません。
その代わり、葉山君の友人の三野がやたらと目につきます。使い走りはできるけど、よくトラブルを起こします。
と、いうか、本人がトラブルそのものだったエピソードもあります。
三野は作者の分身で、何か思い入れがあるかもしれません。
ただしラノベで、聡明でもなく無能なでしゃばりの男性キャラがウロウロしても読者は楽しくないばかりか、正直ウザイだけです。
何でこんなうっとおしいキャラが我が者顔に出ずっぱりなのか?葉山君は彼に何か弱みを握られて言いなりになっているのだろうかと思いたくなります。
完全に読者の期待から離れたためか、『家庭内事件』以降四年の歳月が流れましたが、今のところ新刊は出版されていません。
ラノベで読者が期待するのは何か?
別に無能なでしゃばりの男子が大きい顔をすることではありません。
この小説の場合、一作ごとに葉山君と柳瀬さんの関係が近づくことにあったはずと思うのですが・・・
皆さんが投稿するうえで、このシリーズは色々と教訓を与えてくれるかと思います。
エブで時々、見かけます。
主人公がモテモテになるラブコメと思っていたら、突然暑苦しいスポーツの
話にスライドして、作者が格闘技のファンなのか、ブルース・リーとかチャック・ノリスとか、今の人は誰も知らない人物名が脈絡なく出てくる。
読者は多分、格闘技よりイチャイチャのラブコメを願っているし、暑苦しいスポーツ会系は主人公に叩きのめされる惨めな悪役として描いて欲しいと思ってるのじゃないでしょうか?
個人的なお勧めは、『まもなく電車が出現します』収録の短編「今日から彼氏」です。
葉山君に彼女ができたというストーリーです。しかも告白されたのです。
本当は柳瀬さんのこと、少し気になってたんですが当の本人から、
「同級生とつきあうことになりました」
とメールが来たのです。
何だかモヤモヤが拭ききれない思いで葉山君はつき合うことにしたのですが・・・
これは本当に最後にステキな思いになれるラブコメです!
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